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源田実参謀 大西参謀長の講演 [源田実航空作戦参謀]

 源田参謀が海軍大学に入学して間もなく、
大西参謀長から手がきました。

 中には、「我々が貴殿に期待するのは、
在来の丙戌概念を脱した高効率の海軍
軍備を作り上げるということである。」
といったことが書かれていました。

 大学において、教官から、「対米作戦
遂行上、最良と思われる海軍軍備の方式
について、論述せよ。」という課題が
出ました。

 源田参謀は、大西参謀長の手紙や、
大西参謀長が行った航空用法の講演を
思い出しました。

 その講演で、大西参謀長は、「昨日、
右と言ったことを、今日、左と言うかも
知れない。無定見と罵られるであろうが、
そんな事は問題ではない。

 国のためという一事を踏み外さなければ
良い。個人や部隊、機関などの面目に
こだわるべきではない。海軍用兵に
ついても、考え直さなければならない。

 現在のところ、海軍の主兵は、大砲に
なっているが、果たしてそうであろうか。
飛行機は、550km進出して、敵を攻撃
しろと言われれば、演習で出ていれば
実戦でも出られる。

 鉄砲屋は、年6発くらい当たったと
言って酒を飲んでいる。海軍の弱点は、
案外こんなところにあるのでは
ないだろうか。」と言っています。

(追記)
 上記の大西参謀長の講演を着見る限り、
国のためならば面目にこだわるなと言って
いますが、ならば、柴田大尉の論理的な
論文を、自分の意見と違うという理由で
殴りつけたということと矛盾が生じます。

 しかも、大口径の主砲は、航空機の発達に
伴い、艦隊決戦では使いにくくなったことは
確かですが、全く使用できないというものでは
なく、その部分の考証が不足していると言えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 海軍大学に入学 [源田実航空作戦参謀]

 源田参謀は、戦闘機無用論について、
「攻撃機の攻撃比重を高めたもので、
日華事変直前には、戦闘機無用論まで
出てきた。

 図上演習では、精神的効果を加味しにくい
ので、一定の効果が合ったが、日華事変が
始まると、幻想として消え去った。

 日華事変の戦訓は、航空機実施の上で
数知れない貴重なものを与えてくれたが、
その最も貴重なものは、戦闘機の持つ
有形無形の戦力が、予想より遥かに
大なることであった。」としています。

 航空機無用論を展開していた本人が、
無責任な発言をしているという印象を
受けます。源田参謀が航空機無用論を
展開していたことは、柴田大尉が
指摘しています。

 実際、戦闘機の有用性を説得していた
柴田大尉とぶつかり合っていたことから
しても、戦闘機無用論側にいたことは
確かです。

 能力的に疑問がつく源田参謀が航空機の
エリートコースである海軍大学に進んだのは、
1935年でした。源田参謀は、当初進学する
つもりはなかったようですが、大西参謀長から
勧められ進学しました。

 大西参謀長は、源田参謀に将来然るべき
ポストについて、基盤を作ってもらい、海軍の
航空政策を修正する必要があると考えていた
からでした。

(追記)
 著書では、戦闘機無用論の根本が同じ、
人命軽視という思想についても触れています。

 日本海軍の航空機は、どの機種も防御が
脆弱であることがあげられています。中でも、
96式陸上攻撃機の後に作られた一式陸上
攻撃機は、どこに銃弾があたっても燃料
タンクが燃えるような構造になっており、
「一式ライター」と言われました。

 軍隊に限らず、所属している人間を消耗品の
ように扱う組織は、最低組織であり、このような
組織は大小にかかわらず、なくしていくべきだと
言えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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