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源田実参謀 猛烈な艦砲射撃 [源田実航空作戦参謀]

 アメリカの上陸軍2個師団は、猛烈な
艦砲射撃に支援され、6月15日朝から、
サイパン島に上陸を開始しました。

 豊田司令長官は、「あ号作戦決戦発動」を
発令しました。6月16日、アメリカ軍は、
猛烈な砲爆撃を続行し、後続軍を続々
上陸させ、17日夕刻には、早くも
アスリート飛行場を占領しました。

 しかも飛行場はたちまち修復され、
翌18日には、アメリカ軍が発着し、
日本軍を攻撃はじめました。

 アメリカ空母艦載機が、マリアナ各地に
空襲を開始した6月11日、この方面に
展開する第一航空艦隊の兵力は、
436機と伝えられました。

 その後、打ち続く空襲によって、
6月18日には、決戦策応兵力は、
156機に激減していました。

 第一航空艦隊は、小沢機動艦隊に
とって、頼りにならない弱小部隊に
成り下がってしまいました。

 この状況に対して、源田参謀参謀は、
以下のコメントをしています。

 「南洋諸島のように、各基地が数百海里以上
離れて孤立し、相互支援が十分に利かない
ところでは、たとえ不沈の陸上基地と
いえども、母艦群の圧倒的な兵力に
抗し得ない事が多い。」
というものです。

(追記)
 源田参謀の言は、初めてわかったような
口ぶりですが、当然ながら、南洋諸島に
侵攻した頃から、現地の航空隊はわかって
いたことであり、当初から予想がついた
ことです。

 源田参謀が唱えたわけではありませんが、
空母ではなく、陸上基地を中心に据える
べきという論が海軍内に広まっていました。
これも、上記の源田参謀の言の通りで、
戦艦無用論と同様の暴論です。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 艦砲射撃の威力 [源田実航空作戦参謀]

 源田参謀は、アメリカ軍がサイパンや
テニアンに艦砲射撃をした頃のことを、
以下のように述べています。

 「マリアナ各基地に連日空襲をかけている
敵は、13日ごろには、ほとんど完全に
制空権を獲得し、戦艦8隻、巡洋艦2隻、
駆逐艦22隻が、サイパン・テニアンの
わが防御陣地を砲撃し始めた。

 敵のこの不敵な行動は、テニアンにある
第一航空艦隊司令部から逐一報告されたが、
私達は、航空戦に敗れたものの悲哀を
つくづくと感じた次第である。

 所在を暴露した海岸砲台は、もはや
潜在戦力とはならなかった。蝟集する
飛行機群と、強力な艦砲射撃のために、
沈黙を余儀なくされた。

 陸軍参謀本部の服部大佐は、マリアナ
失陥後に、“マリアナの防備は、敵を
寄せつけるものではなかった。

 これが破れたのは、予期しなかったほど、
猛烈な敵の艦砲射撃である。”と語った
ほどである。」としています。

 戦艦無用論を唱えていた自分の
見識のミスについては、一切触れて
いません。

(追記)
 本格的な艦砲射撃は、日本海軍が、金剛と
榛名の2隻の戦艦で、ガダルカナル島の
飛行場に対して行ったものが最初であり、
アメリカ軍は、これを制空権確保の上で、
徹底して行ったと言えます。

 戦艦は、日露戦争の時と比較すると、
航空機の発達に伴って、役割を大きく
変更せざるを得なかった艦種だと
言えます。

 しかしながら、不要になったわけではなく、
有効な使い方があったことを、上記の
艦砲射撃は示しています。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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