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赤城・加賀 条約の破棄を通告 [航空母艦「赤城」「加賀」]

 ワシントン海軍軍縮条約を受けて、建造中の 天城級巡洋戦艦2隻を空母に改造し、中型 航空母艦2隻を建造する計画を打ち立て ました。  しかし、日本は、2隻の中型空母建造を 計画中の1934年に、ワシントン海軍軍縮 条約の破棄を通告しました。1936年には、 ワシントン条約の締結内容も自動的に 失効することになりました。  同じ年に、巡洋艦や補助艦艇の制限条約で あるロンドン海軍軍縮条約も脱退することになり、 これ以降、アメリカと日本が中心となって、 建艦競争が再燃することになりました。  この中で、日本海軍は、制限のなくなった 空母について、2隻の中型空母(蒼龍と飛龍)、 及び、2隻の大型空母(翔鶴と瑞鶴)の建造に 力を注ぐことになりました。  しかし、建造途中の巡洋戦艦を、巨大な空母に 転用改造することは、容易な作業ではありません でした。日本海軍がこれまでに建造した空母は、 鳳翔1隻であり、排水量は、1万tしかありません でした。  ワシントン条約締結時に、大型空母の改造を 含む経験を持っていた国は、イギリスだけ でした。そのイギリスも、大型空母を最初から 建造したことはありませんでした。  イギリスが、大型巡洋戦艦の改造である フユーリアス級航空母艦に改造するには、 いくつもの試行錯誤がありましたが、 日本は、この試行錯誤も含めて、 イギリス海軍から、多くを学ぶ 気構えでした。 (追記)  上記の通り、この時期はイギリスとは 盟友の関係でした。この関係を維持できな かったことが、日本、イギリス両方に とって、最大の不幸だったと言えます。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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赤城・加賀 巡洋戦艦の空母への改造 [航空母艦「赤城」「加賀」]

 ワシントン海軍軍縮条約は、アメリカ、 イギリス、日本、フランス、イタリアの 5カ国で開催されましたが、各国の利害が 絡み合い、議題毎にかなりの激論が 交わされました。  この会議で、戦艦、巡洋戦艦の保有上限 合計排水量と、1隻あたりの制限基準排水量が 決められ、既存の建造中を含めて、すべて 廃棄されることが決まりました。  この会議では、空母も保有上限合計 排水量と、1隻あたりの制限基準 排水量が定められました。このことは、 空母も主力艦と認められたことを 意味します。  そして、アメリカと日本は、条約締結後に 直ちに、この新しい主力艦に対して、建造の 中止が決まった戦艦や巡洋戦艦について、 その船体を解体することなく、制限の範囲で、 空母に改造する計画を打ち出しました。  日本海軍は、建造中の天城級巡洋戦艦 2隻を、最大制限基準排水量を活かして、 空母に改造することにし、制限保有量の 余剰分で、中型航空母艦2隻を建造する 計画を打ち立てました。  (巡洋戦艦とは、戦艦と同等の砲戦力を 持つが、速力を発揮させるために、戦艦より 防御力を軽量化した主力艦で、日本海軍の 既存艦なら、金剛型が該当しそうですが、 日本では、金剛は戦艦として扱っています。) (追記)  この会議で、建造中の戦艦陸奥の扱いを、 どうするかでもめました。結局、陸奥を完成艦 として扱う代わりに、イギリスとアメリカで 建造中の戦艦各2隻も認めることになりました。  これを認めたことで、日本軍はさらに劣勢に なったと言えます。大内氏は、大艦巨砲主義 時代を象徴する日本にとって、理不尽な決定 になったとしています。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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