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赤城・加賀 20cm単装砲 [航空母艦「赤城」「加賀」]

 赤城と加賀の20cm砲の装備については、 海軍内でも賛否が分かれていました。そして、 一段式飛行甲板に改造する時に、20cm砲は 再検討され、赤城と加賀で、違う結論を 出しました。  赤城は、連装砲を撤去するが、艦尾の 単装砲は残すことになり、加賀は、連装砲を 撤去する代わりに、前方舷側に、単装砲を 同数分装備することになりました。  赤城は、20cm単装砲を6門、加賀は、 20cm単装砲10門となりました。一段式 飛行甲板に改造する段階でも、空母の 運用のあり方が、明確でなかったことを 示しています。赤城と加賀は、撃沈するまで、 20cm砲を装備することになりました。  イギリスも同様で、フユーリアスには、 14cm単装砲を10門装備しており、 フランスの戦艦改造空母ベアルンは、 15.5cm単装砲8門を装備して いました。  アメリカのレキシントンとサラトガも、 艦橋前後に20cm連装砲を各2基装備して いました。  空母建造にあたり、艦橋をどうするかは 課題でした。日本の空母では、艦橋と煙突が 一体となっているのは、飛鷹、隼鷹、大鳳、 信濃だけで、他は、艦橋と煙突が分離して いました。  そのため、艦橋は、規模の大きくない 艦橋構造物だけとなり、羅針盤艦橋と 操舵室、航空機指揮所、通信室、作戦室、 乗員待機室などの、小規模な設備をまとめた 極めてコンパクトな構造でした。  赤城と加賀が、多段式飛行甲板型空母 として出現した当時は、飛行甲板上に、 艦橋構造物はありませんでした。二段目の 飛行甲板が使用廃止となったことで、 最上段甲板最前部下に配置されました。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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赤城・加賀 加賀の排煙問題 [航空母艦「赤城」「加賀」]

 一方の加賀は、赤城と全く違う方式を 採用していました。加賀は、イギリスの フユーリアスの排煙方式がとられました。  12基のボイラーから排出される排煙を、 片側6基のボイラーごとに、一本の煙路に まとめ、太い煙路を両舷の飛行甲板の 下に沿って、艦尾まで誘導し、艦尾付近で 斜め下向きに排煙する方式でした。  この方式を採用したのは、赤城との比較の 意味もありました。この方法なら、飛行甲板の 艦尾付近での気流の乱れが少なくなると 予想されました。実際、気流の乱れは減少し、 飛行機への影響も、減少しました。しかし、 別の問題を起こしました。  煙路が配置された舷側周辺の艦内温度が 上昇し、居住性を著しく損なう結果を 招きました。  排ガスは、500℃以上あるので、室内温度は、 冬場でも40℃を超えることになり、灼熱地獄を 形成することになりました。  居住性の劣化は、加賀が就役してからずっと 続いた問題で、早くこの事態を解決する必要に 迫られました。加賀の多段式飛行甲板を、 一段化する改造は、赤城に先立って 行われました。  多段式飛行甲板空母として完成した赤城と 加賀は、作戦行動中、敵巡洋艦と遭遇した 場合の対策として、20cm砲を装備して いました。これは、ワシントン海軍軍縮 条約で、空母に認められた武装でした。  赤城と加賀は、二段目の飛行甲板の両側に、 20cm連装砲を一基ずつ搭載し、艦尾の両舷に、 20cm単装砲を各3門ずつ配備されました。  片側5門ずつの20cm砲の射撃ができる ことになり、重巡洋艦古鷹や、青葉と同様の 火力と言えました。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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