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赤城・加賀 高角砲 [航空母艦「赤城」「加賀」]

 加賀の武装で大きな変化があったのは、 高角砲でした。  竣工時に装備していた高角砲は、10年式 45口径12cm連装砲6基で、片舷に3基ずつ 搭載していました。  この高角砲は、手動装填式で、発射速度は 毎分11発、砲座の旋回はモーターで行われ、 旋回速度は、毎秒10度、俯迎角変更速度は、 毎秒6.5度でした。  この当時の航空機の最高速度は180km だったので、この高角砲の速度で、充分 対応できました。  しかし、加賀の大改造を行う1933年 時点で、航空機の最高速度は280kmを 超えるまでになっており、対応できなく なっていました。  そのため、大改造に合わせ、高角砲も 最新のものに換装された上に、増強を 図りました。  当時の最新高角砲は、89式40口径 12.7cm連装砲で、これまでの6基を 8基に増やしました。  しかも、砲座を嵩上げして、反対舷も 砲撃できるようにしたので、片舷16門の 射撃が可能になりました。  発射速度も向上し、毎分14発となり、 砲座の回転速度や、俯迎角操作速度も 2倍近く高速化しました。  これに合わせ、近接攻撃してくる敵攻撃機の 要撃用の武装として、機銃が搭載されることに なりました。機銃は、新たに開発された 96式25mm連装機銃で、1分間220発 発射でき、有効射程距離は、2.5kmでした。  この機銃は、終戦まで使われることに なりましたが、終戦の頃は、500kmで 飛行する航空機も出ており、一秒間に 3.7発の機銃で対応するのは 困難となりました。  火器開発の遅れという日本陸海軍の 弱点は、終戦まで改善されませんでした。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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赤城・加賀 加賀の速度アップ [航空母艦「赤城」「加賀」]

 改造前、加賀の主機関は、タービン機関 4基で、アメリカ製のカーチス・ブラウン式 タービン機関が採用されていました。  1基あたり22,750馬力でしたが、 改造にあたり、2基撤去して、国産の 艦本式GT型タービンに換装しました。  この機関は、39,750馬力を誇り、改良後の 加賀の機関は、34,000馬力アップし、 127、400馬力となり、最高速度を 1ノット以上増加させることができました。  速度増加のためのもう一つの改良が、 艦尾の8m延長でした。この延長により、 推進効率が高まり、機関出力アップとの 相乗効果で、速力増加に貢献しました。 最終的に28.3ノット確保できています。  加賀の飛行甲板延長に合わせ、既存の エレベータの他に、既存のエレベータの さらに36m艦首よりに、エレベータを 増設しました。  3基の大きさはそれぞれ異なり、最大の 中央エレベータは、最大寸法の97式艦上 攻撃機を主翼展伸したまま使用できました。  多段化から一段下に伴い、新たに艦橋を 設置する必要が生じました。位置は、甲板 全長3分の一の艦首寄りで、気流の乱れを 抑えるために、コンパクトに作られました。  さらに、パイロットへの障害物意識を 極力さけるために、飛行甲板から、右舷に 張り出すように設けられました。  加賀の大改造時でも、方針が決まらな かったことが、主砲の取り扱いでした。 艦隊戦の想定を外すことはなく、加賀の 20cm主砲10門という装備数は変えない という方針が出されました。  しかし、連装砲を積む場所はなく、 単装砲に変更して装備することに なりました。 紹介書籍:航空母艦「赤城」「加賀」 著者: 大内 健二
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