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山口多聞 飛龍の兵装転換完了 [山口多聞]

 飛龍の艦上爆撃機に、分厚い艦船の装甲を
突き破って、艦内で爆発する徹甲爆弾の
積み込みが終わったのを確認した山口
少将は、航海長に、加賀の装備転換が
終わったか確認しました。

 加賀は、飛龍の左舷後方3kmのところにおり、
飛行甲板を直接確認する事が出きました。
加賀の飛行甲板には航空機が並んでおらず、
終わっていないことを示していました。

 もし、この時点で、敵の艦上機が飛び込んで
きたら、対空砲や機関銃では持ちこたえ
られないと感じました。山口少将は、機動
部隊の実質の作戦指導をしている源田
参謀が何を迷っているのかと、考えました。

 山口少将は、航海長に、赤城の艦橋を
覗いて、源田参謀が見えるか尋ねました。
航海長の答えは、分かりませんという、
最もな答えでした。山口少将も、見える
とは思っていませんでした。

 しかし、源田参謀に、今の自分の信条を
意見具申するわけにもいかず、気持ちを
知ってほしいという思いから、奇異な
命令を出していました。

(追記)
 源田参謀は、山口少将が考えていたのとは
違い迷っていたわけではありませんでした。
源田参謀は、前日に熱をだし、臥せっており、
この日は、艦橋にいて、指揮をとっていました。

 しかし、これまで攻撃に現れているのは
ミッドウェーから飛び立った攻撃機で、
敵機動部隊はいないと判断していました。

 後に、源田参謀は、この時の甘い読みを
後悔することになりますが、作戦開始からの
思い込みや先入観が、思考の足かせに
なっていました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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山口多聞 攻撃隊発進の決断 [山口多聞]

 巡洋艦と駆逐艦各5隻という艦隊編成は、
機動部隊以外に考えられないと確信した
山口少将は、加来艦長と、先任参謀に、
索敵攻撃をすべきと意見をだし、2人からは
賛成の意見をもらいました。

 他の参謀も、ぎらついた目で、顎を引き、
賛同しました。山口少将は、「即刻、利根
4号機がいる海域に、攻撃隊を飛ばすべきだ。

 赤城と加賀がやらんなら、飛龍、蒼龍だけで
やる。いいか。」と問いかけました。返答は、
「司令官に任せます。」というものでした。

 これで、腹が決まった山口少将は、航海長に、
赤城に対して、「攻撃隊を直ちに発進せしむるを
妥当と認める」と信号を打つように命じました。

 探照灯による送信が始まってから、山口少将は、
重要なことを言い忘れていたことに気づきました。
それは、攻撃隊が発進するのは、現装備のまま
というものでした。

 その文章も一緒に赤城に送信し、赤城からは、
了解という返事が来ました。山口少将は、赤城の
了解という報告を受け、双眼鏡を持って、赤城からの
命令を待ちました。

 しかし、赤城からの命令は一向に来ません
でした。何も言ってこない事に不機嫌になった
山口少将は、再度、飛龍と蒼龍だけでも発進
させてくれるように付け加えて送信しました。

 赤城からは、了解あの信号は来るものの、
その後の命令はきませんでした。そこに、
飛行長が、兵装転換が終わった旨の
報告を持ってきました。

 山口少将は、「よくやった」と力強く言い
ました。飛龍の乗員は、撃てば響くような
人達ばかりで、山口少将は、頭が下がる
思いでした。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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