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源田実参謀 弱肉強食主義国家 [源田実航空作戦参謀]

 オランダから石油の販売を拒絶された
日本は、7月2日、武力による南部仏印
進駐を含め、重要国策の「情勢の推移に
伴う帝国海軍国策要綱」を、御前会議で
決定しました。

 その要旨は、「蒋介石政権屈服のため、
南方への進出の態勢を強化する。仏印、
タイに武力進駐し、南方への進出の態勢を
強化する。

 この目的のために、対英米戦を辞さない。
独ソ戦が日本に有利に進めば、武力に
よって、北方の安定を確保する。」
というものでした。

 欧州のドサクサを利用して、武力によって
国益を得ようというものでした。独ソ戦・・・の
くだりは、ソ連軍が弱まれば、北方シベリアの
必要地域を攻略占領するというものでした。

 東条英機首相は、ソ連国境に85万人の兵力を
配備する、対ソ作戦準備案を進めるために、
有史以来の大動員計画を作成して、
7月7日に、天皇の最下を得て、
実施に取り掛かりました。

 これは、関特演(関東軍特殊演習)と呼ばれて
います。南仏進駐にせよ、関特演にせよ、陸海軍が
主導する日本は、ドイツやソ連のような独裁政権と
同様、国際信義を無視する弱肉強食主義国家に
なっていきました。

(追記)
 「北方シベリアの必要地域を攻略占領」という、
日本にとって、国防上必要と思える行動を
とることを決めていながら、全く正反対の
南仏に進駐しているということに、疑問を
感じます。

 そもそも、このような戦略を立てるのであれば、
日ソ中立条約は、最初から破ることが前提の
条約だったことになり、この時点で戦略が
ちぐはぐになっていることが窺えます。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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