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源田実参謀 大西参謀の本意 [源田実航空作戦参謀]

 大西、草鹿両参謀を舷門まで見送った
山本長官は、後ろから、草鹿参謀の肩を
叩き、「君の言うことは分かった。しかし
真珠湾攻撃は、僕の固い信念だ。
反対意見は言わず、実現することに
全力を尽くしてくれ。」と言っています。

 草鹿参謀は、感動して、「全力で長官の
お考えの実現に努力します。」と答えて
います。山本長官は、実働部隊の要となる
2人を、信念で屈服させました。

 佐伯航空隊の士官室に戻った大西、草鹿
両参謀は、留守番をしていた源田、吉岡
両参謀には何も話しませんでした。そのまま
来た時と同じように艦上攻撃機に乗り込み、
帰っていきました。

 帰る途中で、吉岡参謀が草鹿参謀に
問いかけ、通らなかったことを伝えて
います。

 ガダルカナルの攻防戦が激しくなっている頃、
大西参謀は、同期生から真珠湾攻撃のことを
聞かれ、「あれはまずかった。あんなことをした
ために、アメリカ国民の意思を結集させて
しまった。それが、この頃の海戦に現れて
いる。」と言っています。

 大西、草鹿両参謀は、山本長官の信念に
押された格好で承諾したものの、不本意
だったようです。

(追記)
 大西、草鹿両参謀が、陸奥にいる山本長官を
訪ねたのは、10月2日ではなく3日で、その時、
陸奥は、周防灘にいたというのが定説となって
います。

 しかし、著者の生出氏が、吉岡参謀本人確認し、
10月2日で佐伯湾だったと証言しています。
どちらが正しいのかは、確実な裏づけがないよう
ですが、吉岡参謀の回想に従うことにした
ということです。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 山本長官の信念 [源田実航空作戦参謀]

 大西、草鹿の両参謀は、内火艇で陸奥に行き、
打ち合わせの結論を伝えるために、山本長官に
会いに長官室に行きました。その部屋には、
宇垣、黒島、佐々木の3人の連合艦隊参謀も
同席していました。

 山本長官と意気投合してきた大西参謀は、
遠慮して、「第11航空艦隊の源兵力で
フィリピンの航空兵力を潰すことは困難
ですから、第一航空艦隊でフィリピン
航空撃滅作戦をやっていただきたい。」と
婉曲に、ハワイ攻撃中止を申し出ています。

 しかし、佐々木参謀は、「第11航空艦隊の
兵力でフィリピン作戦は支障がありません。」と
肩透かしを食らいました。そこで、草鹿参謀は、
所信どおり、「国家の興亡をこの一戦に賭ける
には投機的すぎます。」と直言しました。

 しかし、山本長官は取り合わず、「南方
作戦中に東方からやられたらどうするのか。
南方資源が手に入れば、東京や大阪が
焦土となってもよいというのか。自分が
連合艦隊の司令官である限り、ハワイ
奇襲作戦は断行する決意である。

 両艦隊は、幾多の困難はあろうが、ハワイ
奇襲作戦は、ぜひやるんだという積極的な
考えで準備を進めてもらいたい。投機的だと
いわないでもらいたい。自分のいうことも
研究してくれ。」と、信念で押し返しました。

 大西、草鹿両参謀は、長官がそこまで
言うのであれば、反対意見を取り下げ、
主旨に沿うように努力しようと折れるほか
ありませんでした。そうでなければ、職を
辞するしかありませんでした。

 大西、草鹿両参謀が、退艦する時、
山本長官は、舷門まで見送りました。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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