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源田実参謀 大局的意見 [源田実航空作戦参謀]

 大西参謀長は、「私はハワイ攻撃には
絶対反対だ。日本海軍は、アメリカの
ハドソン河で観艦式など絶対にできない
(アメリカ本土を占領することは不可能
という意味です)。

 その前提がある限り、長期戦になるので、
ある程度で講和を結ばなければならない。
そのためにも、アメリカ国民を強く刺激する
作戦は避けるべきだ。最初にやるべきは、
太平洋でアメリカの空母を潰すべき。」
としています。

 この意見を聞いた吉岡参謀は、「御前会議で、
外務大臣か枢密院議長が述べるような高度な
意見だ。」と感激しました。後のことを考えると、
この意見は大局的に理のある、正論といえる
意見でした。

 ハワイ攻撃に賛成の源田参謀も、この意見に
一理あると考え、反論はできませんでした。
打ち合わせの結論は、南雲、塚原両司令官の
名で、山本連合艦隊司令長官に、意見具申
することに決まりました。

 10月2日、大西、源田、草鹿、吉岡の4参謀は、
艦上攻撃機2機に分乗して、新たに連合艦隊
旗艦となった陸奥が在泊している桂島泊地に
向かいました。

 岩国に近づくと、1番機に載っていた源田
参謀から、二番機に対して、「岩国やめ。佐伯
へ迎え。」という連絡が来ました。二番機に
乗っていた吉岡参謀は驚きましたが、
海上を見ると、陸奥を先頭に南方に
進んでいました。

 2機の艦上攻撃機は、大分県の佐伯基地に
向かい、航空隊士官室で待っていると、午後に
なって陸奥が入港してきました。吉岡参謀は、
源田参謀の鋭い感性と、機敏な処置に
感心しました。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 第11航空艦隊の反対 [源田実航空作戦参謀]

 攻撃を実行する第一航空艦隊の首脳は、
山本長官の熱意とは反対に、ハワイ攻撃に
反対の立場でした。

 南雲長官は、攻撃開始までの機密保持と、
洋上での燃料補給が不可能なことから、
生産が少ないという判断でした。

 草鹿参謀長は、フィリピンのアメリカ
航空兵力に対して、第11航空艦隊では
不足しているという判断でした。

 草鹿参謀長は、一刻も早く南洋の資源を
確保するため、フィリピンのアメリカ航空
戦力を第一航空艦隊で、マレーのイギリス
航空艦隊は、第11航空艦隊が殲滅すべき
という意見でした。

 山本長官が懸念している太平洋からの
アメリカ艦隊の攻撃は、補給の問題もあり
簡単にはできないので、資源を確保の上、
当初から日本海軍が演習している迎撃作戦に
転ずるべきだというスタンスでした。

 そして、第11航空艦隊の司令官塚原二四三
(にしぞう)中将は、航空作戦は局所優勢の
態勢で行うべきという判断から、真珠湾攻撃に
反対していました。

 第11航空艦隊の参謀長であり、源田参謀も
尊敬している大西参謀長も真珠湾攻撃に反対
していました。これは、図上演習において、
飛行機の消耗が激しく、南洋作戦を進めるには、
空母部隊の協力が必要だと痛感したからでした。

 このような空気の中、9月29日に、南雲長官と
草鹿参謀長、大石、源田、吉岡参謀らは、第11
航空艦隊の塚原司令官の大西参謀長と、
打ち合わせを行い、ハワイ奇襲作戦は
とりやめ、南方作戦に使うべきという
意見に全員一致しました。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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