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源田実参謀 雷撃成功 [源田実航空作戦参謀]

 予定より8分早く、「トラトラトラ」が
入ってきました。

 翔鶴の高橋少佐指揮する250kg爆弾
搭載の急降下爆撃隊51機は、航空兵力を
制圧するために、複数ある飛行場を次々に
爆撃して、飛行機と飛行場施設に壊滅的な
打撃を与えました。

 赤城の村田少佐が指揮する雷撃機40機は、
戦艦群に攻撃を集中し、36本もの魚雷を
見事に命中させ、戦艦5隻、巡洋艦1隻を
撃沈破しました。沈没した魚雷は1本だけ
でした。

 じりじり待つ赤城艦橋の機動部隊司令部に、
「我敵主力を雷撃す。効果甚大。」という、
村田少佐が発信した電報が、いの一番に
電信室からスピーカーで伝えられた。

 南雲長官をはじめ、各幕僚、赤城の長谷川
艦長、以下の幹部が、全員ニコッと
笑いました。

 真珠湾の攻撃の主力として期待され、
7ヶ月以上、苦心惨憺の研究訓練を
続けてきた雷撃が、見事期待通り
成功しました。

 源田参謀は、雷撃機の村田少佐を偲び、
「やはり真珠湾攻撃は、やってよかった。」と
喜びを噛み締めました。

(追記)
 源田参謀の言葉から、真珠湾成功は、
「真珠湾に攻撃できれば成功。」としている
ことが窺われます。

 しかしながら、戦争である以上、戦闘を
するのであれば、戦争目的を明確にした上で、
戦果を判断しなければならないといえます。

 例として、武田信玄と上杉謙信の川中島の
合戦をとると、引き分けとされていますが、
侵略している武田と、それ防ぐ上杉という
目的があり、目的を達したのは武田側
ですので、武田信玄の勝利となります。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 トラトラトラ [源田実航空作戦参謀]

 赤城から発艦した零戦9機、水平爆撃機
15機、雷撃機12機の合計36機が
飛び立ちました。各空母からも飛び立ち、
第一次攻撃隊は183機となりました。

 上空で手際よく編隊を組み、指揮官機の
淵田中佐に率いられ、機動部隊上空で
旋回すると、赤城上空で両翼を上下させる
バンクを行い、190海里先の真珠湾を
目指して飛んでいきました。

 見送る機動部隊の乗員は、赤穂浪士の
討ち入りを思い、胸迫りながら、帽子を
振りました。機動部隊司令部は、各空母から
上空警戒の零戦を飛ばすと、源田参謀の
進言を入れ、さらに296kmまで
近づきました。

 午前2時45分、第二次攻撃隊が発艦を
始めました。第二次攻撃隊は167機で、
島崎少佐に率いられ、真珠湾を目指し
ました。第二次攻撃隊に参加した赤城の
艦載機は、零戦9機、急降下爆撃機
18機の、合計27機でした。

 ホノルルのラジオ放送は、音楽放送を
流し続け、アメリカ軍の通信も何の変化も
ないことから、成功率1割以下とされていた
奇襲攻撃が、確実になると判断されるように
なりました。

 午前3時、マウイ島のラハイナ泊地を
偵察していた利根の偵察機から、艦隊
不在という電報が届きました。

 3時8分に、真珠湾を偵察していた筑摩から
飛び立った偵察機は、敵艦隊ありの報告が
来ました。

 直後の3時15分淵田中佐から、「突撃準備隊
形制(つく)れ」の報が届きました。続いて、
「トトトトト(全軍突撃せよ)」が入って
きました。

 午前3時22分には、「トラトラトラ
(我奇襲成功せり)」が入ってきました。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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