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源田実参謀 淵田美津雄少佐 [源田実航空作戦参謀]

 淵田少佐は、元赤城の飛行隊長で、この時は、
第三航空戦隊(戦艦部隊に所属している空母
部隊で、鳳翔や瑞鳳が基幹)の参謀になって
いました。

 10月に中佐に昇進する淵田少佐は、なぜ
再び赤城の飛行隊長を命じられたのか、
奇妙に感じました(飛行隊長は通常
少佐が努めます)。

 赤城に呼ばれた淵田少佐は、草鹿参謀長の
公室に入り、真珠湾攻撃の計画を打ち明けられ
ました。そして、自分が呼ばれた理由を了解
しました。 

 淵田少佐が、ハワイ攻撃の全航空機の
飛行隊長になるという話を聞いた山本長官は、
わが意を得たりと、喜びました。

 山本長官が喜んだのは、前年に赤城の
飛行隊長を、務めていた淵田少佐が、山本
長官が乗る長門や陸奥、伊勢、日向に対して、
夜間雷撃訓練を行った時の結果を見ていた
からでした。

 この時、淵田少佐の部隊は、27本の魚雷を
全て命中させており、山本長官自身が、
淵田少佐の神技のような技術に
驚嘆していました。

 連合艦隊の命令を受けた源田参謀は、南雲
長官、草鹿参謀長らの意見を聞きながら、
ハワイ攻撃の計画案作成に取り掛かり、
8月28日に、起案を終了しました。

 山本長官は、軍令部が反対していようと、
あくまでハワイ作戦を決行しようと決意して
いました。

(追記)
 山本長官は、本来の戦争目的である
対米英蘭戦より、乾坤一擲のハワイ
攻撃に熱を上げていたとしか思えず、
異常としか言いようがありません
でした。

 当初、アメリカとの戦争に反対して
いたのは、何だったのかという気が
します。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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源田実参謀 出師(出動)準備 [源田実航空作戦参謀]

 黒島大佐と富岡大佐が、大激論を交わした
8日後の8月15日、10月上旬の戦争準備を
完成する方針を立て、出師(出動)準備
第二作業の一部を発動しました。

 連合艦隊は、1ヶ月で急速に戦備を整える
目標で、部隊に対し兵力部署に応ずる訓練と
作戦計画研究を急ぎ実施するように命令を
発しました。

 8月19日と20日の2日で、源田参謀は
他の航空参謀と一緒に軍令部に行き、
航空戦備の打ち合わせを行いました。
その中で、以下の結論に達しました。

①9月1日の戦時編成を発令する際に、
 第一、第十一航空編成ともに兵力を
 増強する。
②第十一航空隊は、8月末で対支作戦を
 打ち切り、内地に引き揚げる。
③第一、第十一航空隊の戦闘機を、
 逐次零戦に切り換える。
④第五航空戦隊(翔鶴と瑞鶴)を、第一
 航空艦隊に加える。
⑤第一航空艦隊の全飛行機を統一して
 訓練するために、適当な人材を選び、
 第一航空艦隊全飛行機隊指揮官とする

というものでした。この内、⑤のアイデアは
源田参謀が提案したことでした。

 これは、ハワイ攻撃を行うには、全軍の信望を
集める人物を、全飛行機隊の総指揮官に
据える必要があるという判断からでした。

 そして、この人事を一任された源田参謀は、
自分で操縦していたのでは指揮はできないので、
偵察要員がいいと判断しました。さらに、自分と
以心伝心に意思が通じる人物にする
必要がありました。

 南雲長官、草鹿参謀長の了解を得た上で、
人事部に行き、意向を説明しました。選ばれた
のが、淵田美津雄少佐でした。


紹介書籍:航空作戦参謀 源田実
著者:生出 寿
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