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巡洋艦大淀 1日の日課 [巡洋艦大淀]

 午前の課業はじめのラッパが鳴り、当直者を 除いて、戦闘分隊員は全員前甲板に集合 しました。そこで、当直士官からの 注意事項や、1日の日課が伝達 されました。  トラック島での日課は、毎日同じようなもので、 総員起こしに始まり、早朝訓練・朝食・午前中の 艦内整備作業・昼食・午後兵器手入れ・夕食・ 薄暮訓練という日課が組まれていました。  午前中の艦内整備は、甲板清掃が行われ、 各分隊の受持甲板が掃除されました。ニ分隊は、 後部上甲板と、中甲板の右舷通路でした。  艦内の共用部分の掃除は、もっぱら 戦闘分隊の受持で、大淀は、一分隊から 四分隊が分担しました。  この甲板清掃作業は、体力を消耗するもの でした。古参の兵長や、下士官が履き終わった 甲板を、一人の兵長が油を散布していきます。 その床をモップで、こすりながら進みますが、 やり方が決まっていました。  片足を前に投げ出し、両手でモップを 押さえ、全体重をかけるようにして、前後 二回ずつ床をこすり、次に反対の足を 投げ出して前進し、同じように床を こすりながら、進みました。  突き当たったところで、号令盤の兵長が、 「まわれ」と号令を掛けると、素早く反転して 同じように甲板を磨きながら、前進しました。  甲板は、至るところに突起物があるので、 板の間を押していく雑巾がけのような、 生やさしいものではありませんでした。  しかも、ここは常夏の基地であり、汗を 取るために腰に手ぬぐいを巻着付けて おくと、びっしょりになりました。流れ落ちる 汗は、たいして飲みもしない水も全部汗と なって絞り出されてしまいました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 艦隊勤務の一等兵や上等兵 [巡洋艦大淀]

 「訓練戦闘」のラッパが鳴ると、総員配置に ついて、早朝訓練が行われました。これが 2時間くらい続き、終わってから「総員洗面」と なりました。  上甲板は、各分隊ごとに洗面所が作られ、 水が配給されました。小さな洗面器に7分目 くらいずつ分配しても、下士官が済んで兵長が 終わる頃には水はなくなりました。  上等兵や一等兵は洗面など、月1、2回 できれば良い方で、洗えないことがざらでした。 そのため洗面の当番は、水を多くもらってくるか、 分配量を減らす努力をします。  「ケチるな」と言われることもありますが、 上曹が済んでいないのでとごまかし、水を 残すようにします。そして、歯磨きができる くらいの水を残します。  洗面が済むと朝食になります。消毒所から 食器を用意する者、烹炊所から食事を運ぶ者が いますが、全て一等兵や上等兵の役目でした。 他の班より遅いと、兵長以上が機嫌を悪くします。  傷がある食器や、汚れている食器を上級者に 配膳すると、甲板整列の材料となります。食事に お茶が出ますが、残ったら上給者に渡すので、 二杯飲めることはまずなく、これ以外の水はなく、 1日に3回のお茶で我慢するしかありませんでした。  朝食の後は、休憩時間がありますが、次の 作業の段取りをする必要がありました。それと、 上級者の身のまわりのことをやっておく必要が ありました。  戦闘配置や居住区の整理整頓は、常時 心がけていなければなりませんでした。ありと あらゆることに気を配っていなければならない のが、艦隊勤務の一等兵や上等兵でした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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