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巡洋艦大淀 午後の午睡時間 [巡洋艦大淀]

 「艦内整備作業やめ」の号令で、素早く 用具を片付け、食卓番は、急いで、昼食の 用意に取り掛かりました。この作業止めから、 昼食の時間をいれて2時間ほどの休憩が ありました。  ただ、ここは熱帯地方なので、体力の 消耗を防ぐために、午睡時間が与えられて いました。昼食が終わると、兵長以上の者は、 居住区や戦闘配置などの恰好の場所を 占領して午睡しました。  一等兵や上等兵は、この時間を利用 して、自分の所属する班の上級者の 衣服の手入れや、身の回りの整理などを しました。  班長や古い下士官などが、破れた服などを 着ていると、兵長連中が黙っていませんでした。 あれやこれやで、午睡などできませんでした。  仲間たちと協力して、これらの仕事を急いで 片付け、残るわずかな時間を、物陰などに 隠れるようにいて午睡することも、たまに ありましたが、眠りかけているとラッパが 鳴り響くのが常でした。  寝るといっても、良い場所は、既に上級者に 取られてるので、ロッカーの陰や、上甲板の 物陰に座ってうつらうつらするくらいでしたが、 眠りかけた時に起こされるのが、辛いものでした。  無心に眠っている下級兵の顔には、なんとも 言えない、くつろぎの色が浮かんでいました。 午後から始められる激しい作業に、少しでも 体力を貯えておかないと、、夜の甲板整列が 思いやられました。  午後の課業が始まるラッパが鳴り響き、 午前と同様前甲板に整列して、午後の 課業が下命されました。午後は、兵器の 手入れか、時として戦闘訓練が 行われました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 艦内整備 [巡洋艦大淀]

 甲板掃除が終わると、今度は受持の器具や 器物の手入れがありました。内火艇や、左舷梯も 二分隊の担当となっていました。その他にも色々な 用具があり、それらをいつも万全に整備しておく 必要がありました。  甲板のリノリュームの痛んだ所や、錆の出た 鉄部などは、すぐ見つけて修理されました。 上甲板への出入口である昇降用ハッチ、 手摺のパイプ、消火栓などなど、あらゆる ものが、いつもピカピカに磨き上げられて いきました。  時々、吃水線上の艦腹の塗装なども行われ ました。錆の出ている箇所は、鋼線刷毛で鉄が 光りだすまで磨き、錆止めが塗られて上に 下塗りと仕上げられました。  居住区の区割りや、区割扉やデリックなどの 可動部は、常時、注油して動きの悪い部分が ないようにしました。また、内火艇の覆いや 各種の器物を保護してある多いの修理や、 結束用ロープなどの手入れなどなど、 数限りなくあるものも整備されました。  完全に整備され保護されているのが、 軍艦であり、艦内の整備状態も、随時 担当士官の点検があり、その良否が 確かめられていました。  浴室、トイレ、倉庫等の共用部分は、 各分隊が順番に担当を決め、番長と 呼ばれる兵長が責任者となって、 2~3名の兵を当番にして清掃して いました。  番長は、その場所の保管責任者なので、 かなりの権限がありました。このように、 艦内整備が続けられました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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