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巡洋艦大淀 空飛ぶ要塞の来襲 [巡洋艦大淀]

 敵機来襲の知らせに、素早く配置に ついた全員が、対空戦闘に備えること には、敵の大編隊は、銀翼をつらねて 押し寄せてきました。  その数はB24が60機にもなり、 残存艦隊を一挙に叩き潰そうとして、 空飛ぶ要塞を大集結しての襲撃でした。  B24が大挙して艦隊上空に飛来し、 大型爆弾の雨を降らせれば、艦載機 では撃沈することができない巨艦大和も、 一挙に撃沈できると目論んでの来襲 でした。  水平爆爆撃であっても、これだけ多数 ならば、回避は不可能でした。雨と降り 注ぐ500kgの大型爆弾は、それが 至近弾であったとしても、大きな 被害を被ることは避けられず、 大淀などは、艦腹も破壊されて しまう事になりました。  急げば各艦とも錨を上げて逃げることは 可能でしたが、逃げ切れそうにはありません でした。さらに、各艦がまちまちに行動したら、 完全な防御砲火も崩れてしまうことになり ました。そのためか、動き出す艦は1隻も ありませんでした。  敵機の大編隊は、必殺の陣容で挑んで 来ており、今まさにブルネイ泊地は、海水も 煮えたぎる修羅の巷と化そうとしていました。 敵の大型機は、各艦の方位盤射手の目を 射抜くほど強烈な光となって、輝いていました。  敵機は、艦隊のちょうど前面に位置していました。 (追記)  この大編隊を最初に発見したのは、大淀の 森田少尉を長とする電探でした。直ちに 在泊艦に通報されたことで対応ができ、 後に、栗田中将より、感状と褒賞の品が 届けられました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 物資移載完了 [巡洋艦大淀]

 大和から主砲弾を運ぶのは、小淵氏ら 主砲分隊員の仕事ですが、高角砲分隊や 機銃分隊の人達も手伝いに来ました。  しかし、この扱いづらい主砲弾に、悲鳴を あげていました。一升瓶より一回り大きく、 重量も60kgほどあるので、「かつぎづらい」 「見た割に重い」と盛んにこぼしていました。  そこで、彼らには、装薬を運んでもらい ました。装薬は、絹布に包まれた円筒形の 火薬で、重量は20kgくらいでした。積み 込みは、兵長以下の下級者で、下士官は 数量調べや、各所で監督していました。  大和から複数回の譲り受けをしてことで、 大淀には、規定量の300発の主砲弾を 積み込むことができました。これでいつでも 戦えるぞと、主砲分隊は活気づきました。  この日、大淀は大和に給油しました。 有るものは、無いものへと、各種の物資が 分配され、高角砲弾や機銃弾などの 各艦に配給されました。この日も、 暮れていき、無事に過ごすことが できました。  11月16日、小淵氏は、故郷では寒い 北風が吹きすさんでいる頃だろうと想像 していましたが、今大淀がいるブルネイは、 強烈な陽射しが容赦なく照りつけ、雨も さっぱり降りませんでした。  こうなるとスコールを待ち望むことに なりますが、そのような気配は、一向に ありませんでした。この日は、昨日までの 忙しさと打って変わって、のんびりと艦内 整備作業をしていました。  しかし、この状況を叩き壊すかのように、 「配置につけ」のラッパがけたたましく 鳴り響きました。「敵大型機の大編隊 来襲。」という艦内スピーカーが急を 知らせました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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