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巡洋艦大淀 25mm機銃で迎撃 [巡洋艦大淀]

 敵の投下した弾が炸裂すると、艦は 横転するのではないかと思うほど激しく 揺さぶられ、天に冲する巨大な水柱は、 滝のように艦を洗いました。  暗夜に乗じて、四方八方から襲いかかる 双胴の悪魔を、各艦は、25mm機銃で 迎撃し、次々と撃墜しました。  しかし、入れ替わり立ち替わり飛来する 悪魔は、ますます激しく突入艦隊の各艦に 襲いかかりました。  小淵氏は、かつてこれほど勇猛な敵機の 襲撃を受けたことはなかったとしています。 この激襲に猛闘する機銃分隊の応援に来ていた 小淵氏は、主砲が発砲できないのが、残念で ならなかったとしています。  高角砲分隊もしきりに適機を狙っていましたが、 現れたと見るや瞬時に消えてしまう敵機を、どうしても 捕捉する事ができませんでした。急速に近づいてくる 爆音に瞳をこらしていると、双胴の黒い影が舞い降りて きました。  適機目掛けて、機銃の曳光弾が飛び込んで いきましたが、その速度は、じれったいほど遅く なりました。たが、大淀の機銃分隊は、艦の 運命を双肩に賭けて猛闘し、すでに6機を 撃墜しました。そのたびに、甲板上では、 気勢が上がりました。  何が何でもサンホセ港に突入し、敵艦隊と 刺し違えるまでは、無傷でいなければなりません でした。その祈りに応えて咆哮する機銃の銃身は、 すでに赤く焼けただれてきました。  その時また、敵機が前に倍した激しさで、 襲撃してきました。そして、7機目の悪魔が、 艦尾スレスレに墜落していきました。その時、 足柄に火花が飛び散り、艦影が赤々と照らし 出されました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 夜間戦闘機 [巡洋艦大淀]

 大胆な行動をする敵に、高角砲を 撃ち込もうと考えましたが、味方の 駆逐艦がいるため、発砲 できませんでした。  敵機は、雲の中から抜け出る時、後尾に 長い飛行雲を曳いて突っ込んできました。 しかし、機銃の射程内に入る直前に 急上昇して、雲の中に飛び込んで しまいました。  この双胴の悪魔は、6機が絶えず上空に いるものと見え、入れ替わり立ち替わり、 襲撃してきました。時々、大型爆弾が 降り注いできました。  その投下弾で沸きかえる洋上を、突入 部隊は驀進しました。時々揺さぶられ ましたが、被害はありませんでした。  やがて、日没とともに敵機も引き上げたと 見え、上空は静かになりました。吹き荒れて いた強風もだいぶおさまり、撃浪も次第に 弱まってきました。敵機の去った上空は、 やや雲が薄れてきました。  これまで、夜間の航行中に敵機から 襲撃されたということは聞いたことが ないので、まずは大丈夫と思って いました。  しかし、夜間戦闘機と言われる双胴の 悪魔は、日没になってから再び襲い かかってきました。  暗夜なので、何機来襲してきている かも分かりませんでした。闇の中から さっと姿を現したと見るや、爆弾を 叩きつけるように投下し、すぐに かき消えてしまいました。  これに応戦できるのは、25mm機銃 のみで、それも近々と接近するまでは、 その姿を補足することができません でした。  艦の上空をさっと横切る悪魔の腹部を 目掛け、25mm機銃が激しく火を吐きますが、 その時は、悪魔は爆弾を投下して急上昇中 でした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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