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巡洋艦大淀 実弾射撃訓練 [巡洋艦大淀]

 B24の編隊に対する対空戦闘は、 以下の通りでした。最初に大和が発砲し、 それを合図に各艦の主砲が一斉に 発砲しました。  大和の46cm主砲の威力を信じ、 どの艦も、大和が口火を切るのを 今か今かと待っていました。そして、 その斉射がほとんど同時だったので、 最大の効果を生みました。  初回の斉射で、敵機は一挙に10数機が 撃破され、乱れかかったところに、二斉射、 三斉射と撃ち込まれたので、半数以上が 撃墜されました。  そこで、残る敵機は直ちに反転し、 遁走しましたが、それもかなり撃破され、 1機も艦隊上空には飛来しませんでした。  砲撃の口火を切った大和の主砲弾は、 15000mでは近すぎたため、編隊を 突き抜けて、後方で炸裂したという話が ありました。  大和の主砲は、その後、発砲することは ありませんでした。大和は、対空弾がなく、 徹甲弾を撃ったのではないかという憶測も 飛びました。  しかし、この砲撃で4機の撃墜を確認した ということでした。でかい砲弾が編隊のど真ん中を 突き抜けたので、そのあおりで接触して落ちたの だろうと、言われました。  このときの対空戦闘は、各艦とも静止の 状態での射撃であり、方位盤射撃が、今まで の常識を覆すほどの威力を発揮しました。 これで、大淀の乗組員は、大型機に対して 自信を深めることになりました。  小淵氏は、今回の対空戦闘は、午前中の 実弾射撃訓練と思えたほどでした。午後は、 兵器の手入れが増えたものの、誰も上機嫌で、 射撃の後片付けに、精を出していました。  太陽が傾きかけると、いつものように、 そよ風が泊地内を吹き渡って来ました。 この日もきれいな夕焼けでした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 あっけなかった対空戦闘 [巡洋艦大淀]

 敵機との距離が25000mとなり、 大和、長門、榛名、金剛、大淀の 主砲の射程距離に入りました。  それでもどの艦も発砲しませんでした。 距離が20000m、19000m、18000mと 迫りましたが、まだ撃ちませんでした。  敵機は前方から来ていたので、砲門は、 主砲が、大和が6門、長門、榛名、金剛が 計12門、足柄、羽黒、高雄で計12門、 大淀が6門で、他に、大和の副砲6門 でした。  敵機は、張り裂けんばかりの爆音を 轟かせ、ボルネオの天地を震撼させ ながら接近してきました。そのままの 編隊では口上空を往復し、水平爆撃を 繰り返す魂胆のようでした。  内田副長は、「さながら銀甲を堅く 鎧った大豪傑の騎馬武者の大群が、 駆け寄せる様にも似た威圧感が あった。」と述懐しています。  15000mまで接近してきたとき、ついに 待ちに待った、「砲撃開め」の号令が かかりました。  号令官のブザーが待ち兼ねたように 鳴らされると、轟音を発して6門の 主砲弾は、敵機の大編隊に 飛びかかりました。  続いて、二斉射、三斉射と大淀は 速射を開始し、息もつかせぬ間に、 10斉射と撃ちまくりました。その 直後に、「砲撃止め」が号令 されました。  小淵氏は、あっけない戦闘だったと感じ、 こんなことで大事な主砲弾を60発も使って しまってと惜しい気がしました。  しかし、これは、外部が見えない主砲 発令所にいたからこその感想で、外部 では、見事な対空戦闘が行われていました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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