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巡洋艦大淀 清霜救助 [巡洋艦大淀]

 大淀と足柄は、サンホセを南北に往復 しつつ、飛行場に艦砲射撃を続行しました。 そして思うさまの艦砲射撃を繰り返した突入 艦隊は、翌日の午前1時近くに、サンホセ港を 離脱しました。  港内に突入してから1時間以上に渡る 長時間の砲撃で、ほとんどの砲弾を撃ち 尽くしたからでした。この間、不思議と 敵機の襲撃がありませんでした。  それは、味方の基地航空隊が、敵飛行場に 夜間攻撃をかけた結果だと、後になって 知りました。  一方で、昨夜攻撃を受けた清霜が撃沈した という報告がありました。救助に向かった朝霜に 対して、木村昌福司令官は、水に浮きそうな物を 全部海中に投げ込ませました。  そして、沈みつつある清霜の乗員に、「戦いが 終わって生きていたら必ず救助に来るから、 待っていろ。それまで頑張るんだ。」と言い 残して、決戦場に駆けつけていました。  しかし、港内には相手する敵がいないので、 すぐに引き返して清霜の乗組員を救助しました。 乗組員は、木村司令官の言葉を信じて水に 浮いている木材や船具を寄せ集めて、 負傷者をその上に収容しました。  その後、ひと固まりになって、軍歌を合唱 しながら励まし合っていました。こうして、 ほとんどの者が救助されたと、小淵氏は、 後に大淀に転属になった清霜乗員から 聞きました。  しかし、27日の早朝、清霜を乗組員を 収容していた朝霜は、再び双胴の悪魔 から襲撃されました。  大淀で、右舷の見張りに立っていた 小淵氏は、右舷斜め後方にいた朝霜が、 突然雲の中から飛燕のごとく舞い降りて 来たロッキードが、朝霜に突っ込んで くるのを見ました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 サンホセ港を砲撃 [巡洋艦大淀]

 港内を探りつつ前進する大淀と足柄は、 敵艦の黒々とした影が、闇の中から浮かび 上がるのを発見しました。  すかさず主砲が咆哮しました。近距離の ため水平射撃で、二度三度と激しく砲撃 すると、敵艦はたちまち炎上し始めました。  後続の足柄も猛然と発砲し、湾の奥深くに 潜んでいた7~8隻に猛射を浴びせました。 この猛射によって擱座炎上してゆくのは、 大型輸送船でした  それまで気負い込んで突入した小淵氏らは、 いささか拍子抜けしましたが、血祭りとばかりに 小舟艇も残らず撃沈してぢまいました。  引き続いて港内沿岸の施設や小型船舶の 砲撃をしているところに、高速魚雷艇を撃滅 してきた駆逐艦隊が港内になだれ込み、 手当たりしだいに砲撃始めました。  このため、サンホセ港は、百雷の落下、 万雷の轟きか、耳をろうするばかりの轟音の るつぼと化しました。  沿岸の各所から発生した火災が、付近の ものをことごとく照らし出し砲撃は一層的確に なってきました。  この時、先に発進した水偵からの報告に より、大淀と足柄は、敵飛行場の施設や 物資の集積所を砲撃することになりました。  まず、足柄が照明弾を打ち上げ、目標を 照射しました。それを素早く測距し、二隻の 主砲が火を吐きました。  二斉射、三斉射と砲撃をすると、飛行場の 施設は、紅蓮の炎を上げ、夜空を焦がしました。 敵は、これを空襲と勘違いし、高射砲を盛んに 発砲していました。  これは、大淀の水偵が、スズ箔やアルミ箔を、 サンホセ上空にばらまくことで、敵のレーダーを 妨害したため、空襲と勘違いしたということでした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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