SSブログ

巡洋艦大淀 爆弾命中? [巡洋艦大淀]

 スティーブンス氏が、前方に曳光弾が 飛び交っているのを見えてきた時、さらに 上昇すると、B25の低空攻撃が見えました。  B25は、攻撃を終えると、敵の砲火に 叩き落されるというような状況でした。 右エンジンから紅蓮の炎を引きながら、 駆逐艦目掛けて突っ込んでいく光景も 目の当たりにしました。  スティーブンス氏の機体に搭載した 爆弾には、信管が装着されているので、 低空からの攻撃ではなく、高度8500 フィート(約2600m)で投下しました。  一番大きい目標である足柄(スティーブンス氏の 勘違いで、目標としたのは大淀です)を攻撃する ことにしました。20海里離れたところから、敵艦隊 向け巡航速度で近づき、排気管からの炎を 極力抑えて飛びました。  敵艦は、低空攻撃してくる機体に集中しており、 スティーブンス氏の機体には気づいていないよう でした。目標は、戦闘を高速で航行しており、 長い航跡を残していました。  目標が、艦首に隠れて見えなくなった時、投下の 声を聞き、艦尾に至近弾、後甲板に、2,3の爆発を 確認しました。爆発は同時だったので、何箇所かは、 区別がつきませんでした。  次の瞬間、こちらに目掛けて撃ち上げてきました。 幸い、機体に損害はありませんでした。爆撃手は、 基地に爆弾を取りに戻ろうと言っていましたが、 スティーブンス氏は、艦隊を追跡することにしました。  それは、攻撃した敵艦(大淀)が火災を発生した 形跡も、重大な被害を蒙った様子も見えなかったから でした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
nice!(0)  コメント(0) 

巡洋艦大淀 不安だらけの出撃 [巡洋艦大淀]

 出撃命令を受けたスティーブンス氏は、 ドラム缶50本分の航空用ガソリンを、 手動ポンプで補充し、煮た大豆を 生ぬるいコーヒーで、井の中に 流し込んで夕食としました。  飛行場に戻ると、知らない間にB25が13機 到着していました。そこに、日本機がこちらに 向かっているということで、空襲警報が発令 されました  兵器係は、トラックに乗って、猛スピードで 飛んできて、急ブレーキを賭けて止まったと 思ったら、爆弾を荷台から足蹴にして地上に落とし、 爆弾の尾部と信管を投げてよこし、さっさと行って しまいました。  ここには、爆弾の巻き上げ機はなく、手で爆弾を 爆弾庫に装着しなければなりませんでした。B25の 搭乗員たちも、マニラ周辺の爆弾が、急に艦船攻撃に 変更されたので、さほど乗り気ではないようでした。  スティーブンス氏は、B25の隊長に連れて行って もらいたいので、いま少し待って欲しいと頼みま したが、待てないと言われ、さっさと出発して しまいました。  間もなく発進準備が整い、搭乗員を集めて、 副操縦士と爆撃手だけを連れて行くことにし、 残りはどちらでも良いと言ったら、全員ついて くるということでした。  P38が胴体着陸したせいで、滑走路が短くなり、 砂埃がひどく、風もなく、土の滑走路で本当に 離陸できるか自信はありませんでしたが、燃料が 少なかったので、離陸することができました。  この日は満月の夜で、かなり先まで見えました。 ミンドロ島の沿岸に沿って北上すると彼方に、 曳光弾の飛び交うのが、見えてきました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。