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巡洋艦大淀 空の神兵 [巡洋艦大淀]

 小淵氏は、落下傘部隊の人達を観察しました。 皆水兵長の階級章で、年齢も体格も同じように 見える人達でした。  しかし、今まで一緒に行動して、その練度は、 小淵氏ら練習兵など遠く及ぶものではないと 感じていました。  小淵氏は不思議な部隊だと思い、教班長に 聞いてみました。すると、「この人達は、初戦に メナドに降下して空の神兵と言われた落下傘 部隊の人達だ。」と教えられました。  小淵氏は、この時になって初めて、一緒に 来ていたのが、落下傘の八木部隊であることを 知りました。この部隊は、後にサイパンの守備に つき、陸戦隊として華々しく玉砕しました。  しかも、戦後20年も経ってから、この部隊に、 小淵氏と同郷の人がいたことを知りました。  今回の靖国神社の参拝は、前日、第一 海兵団に行って宿泊し、早朝、横須賀を 出発した時には、大粒の雨が降り出して いました。  東京駅についた時は、はげしい雨足と なっていましたが、その中を行軍しました。 雨の中で、皇居に遥拝し、靖国神社に 向かっていました。  靖国神社から今のJR に乗り、代々木で 下車後、明治神宮を参拝しました。そこから、 さらに雨の中を行進して、東郷神社に着き、 参拝を済ませ昼食をとりました。  ずっと、雨の中の行進が続いたので、 海軍の短い雨衣は着用していたものの、 下半身はずぶ濡れでした。昼食を済ませると、 海軍館や宝物殿の見学が許可され、 それらを教班長の説明を聞きながら、 見学しました。  ここには、軍艦や潜水艦の精巧な模型が あり、実物を知らない練習兵は、それらの 模型にも驚嘆しました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 靖国参拝 [巡洋艦大淀]

 小淵氏は、練習兵教育時代に、思い出に 残ることが多かったとしています。  その一つが、靖国神社の春の例大際に、 海軍代表として落下傘の八木部隊と 練習兵分隊が、参加したことでした。  早朝に海兵団を出発して、東京に着いた 練習兵分隊は、教育主任尾崎中佐の 指揮下で、二重橋の前で皇居に遥拝し、 そこから軍楽隊を先頭にして都内を行進し、 靖国神社に着きました。  「お前たちの一挙手一挙足は、万人の 注視の的になっている。海軍軍人として 恥ずかしくないような立派な行動をとれ。」と 固く注意されていたので、誰もが緊張して 脇目を振らず行進でした。  大鳥居をくぐり、玉砂利を踏みしめて進み、 社殿にぬかづきました。“捧げ銃”の号令と 共に、吹奏される「国のしずめ」の曲が 瞑目する心身を清め、吹奏は、天空へ 行くようでした。  参拝を済ませた小淵氏らは、参道入口 近くで休憩が命じられました。“叉銃”の 号令がかかると、落下傘部隊の人達は、 「やっ」と掛け声を掛け合うと同時に、 叉銃は見事に終えていました。 まるで手品のような早業でした。  小淵氏らは、同じ動作を3人で銃先を こじり合わせながらやっと組み立てており、 落下傘部隊の兵に、すぐ脇で微笑しながら 見られていました。  その眼差しは、軽兵団の砲台番のような 意地悪な上級者の眼差しではなく、兄の ようで、「お前たちだって、すぐにこのように できるよ。」と言っているようでした。  小淵氏は、この人達は、何者なのかと 感じました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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