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巡洋艦大淀 ますます勇猛 [巡洋艦大淀]

 大淀は、連合艦隊旗艦だったので、 長官室、参謀室、作戦室などの各室に 不自由はありませんでした。艦隊の 旗艦としての機能は十分に備えて いました。  大淀は、全く落ち着いた応戦ぶりで、 「訓練は、戦闘と思え。戦闘は訓練と 思って臨め。」と、つねづね言われて いたように、自信を持って戦いました。  小沢中将は、「第三回目の襲撃は大した ことがなかった。」と語っておられましたが、 大淀が、危なげなく戦ったことによる結果 でした。小淵氏らは、戦闘を何度も経験し、 気軽な状態で戦うことができました。  生きながらえようと思えば、あらゆることが 恐怖となりますが、自己を滅した時、そこに 残されているのは、楽観でした。戦場での 個人感情は、解し難いですが、敵が強力で あればあるほど、勇猛心が奮い立ちました。  大淀の乗員は、時が経つに従って、ます ます勇猛に戦いました。これは、小沢長官の 艦隊乗員全てに言えることでした。大淀から、 瑞鶴の若い士官が、探検で刺し違えて 果てたのや、消火のために火中に身を 投じる兵士を見ていました。  戦闘配置で昼食を済ませた小淵氏は、 交替で上甲板に上がって、休憩しました。 しかし、それもつかの間で、小淵氏が 上甲板に出た直後、第四波の来襲が 告げられました。  「またおいでなすった」と、すぐに 戦闘配置に駆け込みました。「来襲 敵機40機」と告げられ、これなら大淀 1隻でも十分に引き受けて戦えると 感じていました。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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巡洋艦大淀 第三波の敵機来襲 [巡洋艦大淀]

 第三波の来襲敵機は、約40機と報告 されました。大した数ではありませんが、 敵の誇る攻撃機アベンジャーが、主力と なって、新手が次々と来襲してきました。  艦隊の旗艦となった大淀は、最後まで 沈むわけにはいかないぞという自覚が あり、対空戦闘は見事の一言につきました。 この分なら、弾丸がつきない限り大丈夫だと 思えました。  第三話の波は、地獄の三丁目くらい までで、敵機も近づく前に主砲や 高角砲の餌食になっていました。 この襲撃も35分くらいで終わりました。  砲撃や眼の号令の少し前、烹炊所から 握り飯が届きました。早速各自に配給され、 みんな夢中でぱくつきました。しかし、 一人に二個ずつでしたので、物足りない 感じでした。  小淵氏は、お茶を飲みながら、乾パンを かじりました。すると、そこに主計長が来て、 員数を間違えたということで、二度目の 握り飯が届きました。塩がついているだけの 握り飯に、福神漬のおかずでしたが、 腹一杯つめこみました。  そこへ、主計兵曹が、握り飯をもって 来ました。艦底にある配置なので、 烹炊所員もまごついているようでした。  そんな時、小沢長官の従者を出す ようにという命令が来ました。小淵氏の ニ分隊からは、艦長の従者も出して いるので、二人で一緒に出ていきました。  号令官は、長官と艦長に従者を 出しているので、この作戦の様子が なんでも分かると喜んでいました。  この後、二人は種々の情報を持ち 帰りましたが、味方の遊撃部隊の 状況は、全く不明でした。  長官や艦長は、作戦室にこもって、 会議をしていましたが、従兵は 入れませんでした。 紹介書籍:“巡洋艦「大淀」16歳の海戦 少年水兵の太平洋戦争” 著者: 小淵 守男
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