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山口多聞 ハワイ作戦攻撃開始 [山口多聞]

 淵田中佐は、真珠湾の敵艦をみて、伝声管に
向かって、「全機突撃せよ」と叫びました。

 淵田中佐の後方に座っていた水木電信員は、
電信キーを叩きました。無線から、「トトトト・・・」を
繰り返しました。

 時刻は、午前3時19分でした。計画では、
3時30分でしたので、11分早まったことに
なりますが、許される誤差だろうと考えました。

 淵田中佐は、「甲種電波で艦隊に宛て発信。
『ワレ奇襲ニ成功セリ』。電信機の状態をうんと
良くして、東京へ到達するつもりでやれ。」と
水木電信員に命じました。

 午前3時22分、水木電信員は、略語表を
手にして、隠語の「トラ・トラ・トラ」を連送
しました。

 隠語は、機動部隊参謀が考案したもので、
歴史的な、「ワレ奇襲成功セリ」の暗号が
打電されました。一分後、赤城から「先の
発信、了解。」の返信が来ました。

 手違いから、攻撃に移った急降下爆撃隊は、
午前3時25分、島のほぼ中央にある、ホイラー
飛行場を攻撃し、大爆発を生じさせました。

 さらに、真珠湾にあるフォード海軍基地、
真珠湾の南側にあるヒッカム陸軍航空基地の
攻撃を開始しました。

(追記)
 上記のように、計画が早まったことを誤差と
出来るかは、疑問が生じます。というのも、
山本長官は、攻撃隊が飛び立った後でも
講和が成立したら戻るようにと言う厳命を
していました。

 攻撃が早まると、このような事態のときに、
手遅れと言うことが考えられました。この
ハワイ攻撃では、ありえないことですが、
そのようなリスクを持っていたと考えられます。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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山口多聞 予想外の急降下爆撃隊の行動 [山口多聞]

 雲の上にいる制空戦闘機隊は、奇襲攻撃を
するようにと言う、淵田中佐が送った合図の
信号灯を、気づいていないようでした。

 淵田中佐はあせりました。そして、信号灯を
もう一発撃つことにしました。これに気づいた
制空戦闘機隊は、翼をバンクさせ、総攻撃に
移りました。

 制空戦闘機隊は、基地航空機を叩いた上で、
水平爆撃隊や雷撃隊の援護にまわることに
なっていました。

 しかし、信号灯一発の時は奇襲、二発の時は
強襲という意味であり、制空戦闘機隊以外には、
一発目が見えているので、違う意味になって
しまいます。

 当初、奇襲の時は、雷撃機が魚雷を発射して
戦艦に一撃を加えることになっていました。
強襲の時は、急降下爆撃隊が出撃することに
なっていました。

 二発目の信号を見た急降下爆撃隊は、強襲と
判断し、攻撃に移ってしまいました。一度、4000m
まで高度を揚げ、手順通りワイアルワ湾から左に
旋回し、島の真ん中を裂くように南へ向かって
斬り込んでいきました。

 これは、予想外でしたが、もはやとめることは
出来ませんでした。


 その後、巡洋艦筑摩の偵察機から、敵情を
知らせる第一報が届きました。停泊艦は、
戦艦10隻、甲巡洋艦1隻、乙巡洋艦10隻と
いうことでした。続いて、巡洋艦利根の
偵察機から、ライハナ泊地には敵艦見えず
の報告がありました。

 アメリカ海軍の太平洋艦隊は、真珠湾に
集中しているようでした。淵田中佐は、
双眼鏡で、真珠湾を見て、戦艦や
巡洋艦のマストを確認しました。

 淵田中佐は、攻撃の命令を下しました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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