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山口多聞 第二次攻撃隊真珠湾に突入 [山口多聞]

 第一次攻撃隊は、約一時間の攻撃を
終えると、予定通り帰投の途に就きました。

 続いて、第二次攻撃隊が、真珠湾に向かい
ました。三角形の頂点に当たるカフク岬の
東側から南下してきました。

 午前4時20分、指揮官の嶋崎少佐は、
真珠湾突入を命じました。水平爆撃隊の
一部は、モカブ岬の東方で右旋回し、
カネオヘ海軍基地に向かいました。

 本隊は、島の南端にあるダイヤモンドヘッドを
目印に、大きく右旋回すると、北西へと針路を
とり、ホノルル市内のワイキキ、アラモアナ、
ダウンタウン沿いに飛んで、真珠湾の
上空に達しました。

 蒼龍飛行隊長の江草少佐率いる制空隊は、
オアフ島東海岸の中ほどにあるカハナ湾
上空から進入し、途中の山岳地帯で、
三方向に分かれました。

 蒼龍の第三制空隊は、左旋回してカネオヘ
海軍基地に突き進みました。先に攻撃していた
飛龍の第四制空隊は、蒼龍の制空隊がやって
きたのを確認すると、すぐ近くのベローズ
飛行場へとまわりました。

 同制空隊を指揮する飯田大尉は、先頭を
切って基地上空から急降下しました。敵
戦闘機は現れず、飛行場にある第一次
攻撃隊によって、こなごなに粉砕され、
黒煙を上げていました。

 飯田大尉は、エプロンに待機している無傷の
航空機に照準を定めて、機銃を浴びせました。
20mm機銃談を浴びた航空機は、翼も胴体も
ずたずたになり、燃料を満載した航空機は、
爆発して木っ端微塵に飛び散りました。

 基地の上空は、黒煙が立ち上り、視界が
悪くなっていました。第二次攻撃隊は、
奇襲だった第一次攻撃隊とは違い、
風上から突入すると、激しい対空砲火を
浴びました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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山口多聞 反復攻撃の命令 [山口多聞]

 制空隊の零戦は、右前方から上昇してくる
敵戦闘機のカーチスP36を捕捉しました。
空襲の間隙を縫って、飛び立ったよう
でした。P36は、速度、機動性ともに、
零戦の敵ではありませんでした。

 搭乗員は、反射的に操縦桿を前に倒し、
急降下してきました。上昇してくる敵機は、
格好の獲物であり、角度が浅い敵機の上から、
機銃を浴びせれば、仕留めることが出来ました。

 零戦の攻撃をまともに受けたP36は、
翼を打ち抜かれて、錐揉み状態になって
落下していき、他のP36も奮戦する間もなく、
中国戦線で、実践を体験しているベテラン
搭乗員によって、次々と撃墜されました。

 山口少将は、参謀からの、「トラトラトラです。
おめでとうございます。」という感極まった声の
報告を受けていました。戦闘帽をかぶった
山口少将は、唇を噛んで深くうなずきました。

 戦況は、続々と無電によって知らされ、
手に取るように真珠湾が猛火に包まれ、
戦艦や巡洋艦が破壊されていくのが
分かりました。

 山口少将は、「反復攻撃だ。第一次攻撃隊を
収容したら、ただちに兵装させるように。」と
命じました。

 機動部隊命令第三号では、第一次攻撃隊を
午前5時半~午前6時15分の間に、第二次
攻撃隊を午前6時45分~午前7時15分の間に
収容し、収容後は、直ちに次回攻撃準備を
整えることになっていました。

 これは、近海に空母がいる場合、敵艦載機が
飛んでくるので、こちらから先制攻撃をかける
ことになっていたからでした。山口少将は、
そこまで用意周到に考えていました。


紹介書籍:山口多聞 空母「飛龍」と運命を共にした不屈の名指揮官
著者:松田 十刻(まつだ じゅっこく)
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